2016.09.06

ピロリ菌について 4 ピロリ菌感染の診断と治療ガイドラインから 胃癌予防

胃癌の予防をどのように行うべきか、外来でよくある質問を中心に、学会からの提言をご紹介していきたいと思います。

Q
『父(または母)がピロリ菌陽性を指摘されたのですが、私も検査した方が良いですか?』

A
現在のわが国では、ピロリ菌の主な感染時期は乳幼児期であり、感染経路は家族内感染が主であるとされています。
わが国の研究で、家族間、特に母子と父子の菌株・菌の遺伝子が一致することが多いこと、感染小児の両親も陽性であることが多いことが報告されています。

家族に陽性者がいないと、生活環境(特に上下水道の整備)の整った現在では、子供がピロリ菌の感染を受ける可能性は低いといえるでしょう。

このことから、後世にピロリ菌を残さない、胃癌を撲滅するために、特に結婚・出産、育児前の若い女性は一度検査を行っておくと安心です。
また、両親や祖父母に胃癌の家族歴、ピロリ菌歴がある方も検査をお勧めします。
どうぞ外来でご相談ください。

                すぎやま内科皮フ科クリニック

この日はお一人の方がピロリ菌陽性でした。

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